【激白】Toreruは人が動かしています-商標調査-

2018年10月11日
カテゴリ
Toreru

Toreruで日々調査業務をしていて、お客様からよく聞かれることに、
”商標調査は全部AIで行っているんですよね、少し心配です”と言われることがあります。
実はそうではありません。
Toreruの商標調査は、機械がやるべきことは機械に任せ、 人間がやるべきことは人間が行っています。
そうすることで、商標調査の本質の部分に多くの時間を割くことでき、 低価格でも高品質な調査を可能にしています。
私たちの調査は、人間の情熱が注がれているアツイものです。
私たちがどのように調査をしているか、少しだけご覧ください。

Toreruの商標調査とは...

商標「ホワイトオーム」について

1.ヒアリング
私たちは、お客様が望んでいる商標権を取得する為に、詳細なヒアリングをしています。
ヒアリングをすることで、文字でのやり取りだけではわからないお客様の思いを知ることができ、
お客様が真に必要な権利取得ができるのです。

Prrrrrr...Prrrrr...

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Toreru:"商標登録Toreruですが、お客様の商標についてどのように使用するか伺ってよろしいでしょうか"

お客様:”はい、私はアパレルショップのオーナーでして、「ホワイトオーム」というブランドを展開しています”

Toreru:”アパレルですね。アパレルというと、洋服などの取り扱いでしょうか。”

お客様:”はい、そのほかにバッグなどの取り扱いもあります。”

Toreru:”左様でございますね。アクセサリー等の取り扱いはございますでしょうか?”

お客様:”今はありませんが、今後ネックレス等を販売する予定です。”

Toreru:"左様でございますね。アクセサリーには頭を飾るもの、例えばカチューシャなどはございませんでしょうか?"

お客様”特にありません。”

Toreru:”かしこまりました。今伺った商品が含まれる区分は、
洋服が25類、バッグが18類、ネックレスや指輪などのアクセサリーが14類です。
頭を飾るアクセサリーは26類ですが、販売の予定がないとのことですので、今回は調査致しません。”

お客様:”アパレルといっても、そんなに分かれているのですね。今すべての区分で出願しなければなりませんか?”

Toreru:”必ずしも今すぐすべての区分で出願する必要はございませんが、
商標権は基本的に一番最初に出願した方の権利となりますので、
例えば今の時点で販売している18類、25類の商品で権利取得できたとしても、
将来的に他の方が14類にてお客様より先に出願した場合は、
「ホワイトオーム」の商標ではアクセサリーの販売ができなくなる可能性もございます。
今回は先ほど申し上げた3つの区分で調査致しますが、
お客様が現在必要だと思われる区分のみを選択して出願することも可能ですので、ご検討下さい。”

お客様:”分かりました。お願いします。”

このように、お客様からアパレルとだけ伺っても、正確な商品を把握することはできません。
ヒアリングをすることで、権利範囲の漏れを防ぐことができるのです。

2.指定商品を決める
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指定商品は、商標の権利範囲を決める非常に重要なものです。
お客様からよくお問い合わせいただきますが、商標を出願する際に指定するのは、
18類、25類の様に区分全体を指定するのではありません。
その商品自体が18類、25類に該当するから結果的にその区分を願書に記載することとなると言った方が正確です。
一口にアパレルと言っても、取り扱う商品も異なれば、別途飲食物などを提供している場合もあったりで、
今はまだ「適切な指定商品の提案」をAIが代替できるものではありません。
商標調査には、人間の力が必要なのです。

ヒアリングを参考に指定した商品は下記の様になりました。

-14類
宝石箱,宝飾品,時計,キーホルダー,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,身飾品,貴金属
類似群コード: 20A01 21A02 21B01 21D01 23A01 13C02 06B01 06A02

-18類
つえ,携帯用化粧道具入れ,革ひも,傘,財布,かばん金具,かばん類,がま口,つえ金具,ステッキ,
パス入れ,袋物,がま口口金,愛玩動物用被服類
類似群コード:21F01 22C01 18A01 22B01 21C01 13C01 19B33

-25類
ベルト,運動用特殊靴,運動用特殊衣服,靴下止め,バンド,ガーター,仮装用衣服,ズボンつり,履物,被服
類似群コード:22A01 22A03 24C01 24C04 21A01 24C02 17A01 17A02 17A03 17A04 17A07 24A03

類似群コードとは、指定商品にそれぞれ付与されている類否の判断基準に使用されるコードです。
このコードは、商品が別のものであっても、同じコードが付与されている場合があります。

例えば、財布とキーケースでは、商品は異なりますが、同じ類似群コード「21C01」が付与されています。 同じ類似群コードが付与されている場合、商品が異なっても類似すると判断されるのが原則です。

それぞれ属する区分の違う商品に同様のコードが付与されている場合もあります。そのような場合、
それらの商品は類似すると判断されます。これを他類間類似と呼びます。
例:18類の財布(21C01)と16類のマネークリップ(21C01)は類似する。

商標は、指定した商品・役務の範囲に限って権利が守られますので、この類似群コードが共通しない商品を指定する商標は、
その商標自体に特徴があり、自分の商標について同一・類似の商標が存在しない場合、登録することができます。

例:ホワイトオーム(被服:17A01 17A02 17A03 17A04 17A07)とホワイトオーム(履物:22A01 22A03)は併存して登録が可能。

Toreruでは、指定商品決めは、全て人間が行っています。

3.識別力(特徴)を調べる
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商標を登録したい場合、その商標に識別力(特徴)がなければいけません。
なぜなら、商標を需要者が観察した時に自分の商標と他人の商標を識別するだけの特徴が商標になければ、
誰もが使用したい指定商品においての普通名称や慣用名称の登録を許すこととなり、好ましくないからです。
ここで指定商品においてのと言ったのは、一般的に使用されている単語が登録できないというわけではありません。
例えば、動物のパンダは、一般的に知られている単語ですが、指定商品が「被服」である場合には、
識別力(特徴)があると言えるでしょう。
なぜなら、「被服」においてパンダという単語は一般的に使用される単語ではないからです。

識別力(特徴)を調べるには、辞書やインターネット検索を利用します。
実際に識別力を調べてみましょう。

-写真-

・ホワイトの識別力について
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(出典元:広辞苑 第七版)

ホワイトと聞いて一般的に連想するのは白色の意味ですが、辞書を引くと人名としてのホワイトさんも見つかりますね。

・オームの識別力について
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(出典元:広辞苑 第七版)

私は完全に鳥のオウムを連想していましたが、電気抵抗の単位の意味もありますね。

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(出典元:広辞苑 第七版)

果たしてホワイトとオームは25類において識別力(特徴)があるのでしょうか?
特許庁の発行する商標審査基準には、「グリーンジャイス」と「ジャイス」では、
「グリーンジャイス」の「グリーン」部分が商品の品質(色彩)を表示する例として掲載されている為、
もし、「オーム」や「オウム」などの商標が先行して出願・登録されていた場合、
類似すると判断されてしまうこともあり得そうです。
(出典元:商標審査基準P.88 https://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/syouhyou_kijun/00_all.pdf)

・ホワイトオームの識別力(特徴)について
ホワイトオームの意味は白いオウム程の意味でしょうか。
インターネットを利用してどのように使用されているのか見てみましょう。
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どうやらアパレル業界で一般的に使用される用語ではないようです。
「ホワイトオーム」はアパレル関連の商品において識別力(特徴)があると私は判断します。
それでは「ホワイトオーム」と類似する商標が既に登録されていないかみてみましょう。

4. 類否判断
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識別力(特徴)の判定が終わったら次のステップは商標の類否判断です。
ここでは今回登録したい商標と同じものや似ているものが既に登録されていないかを調べます。
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同じ表記での登録はないようですが、読み方での検索はどうでしょうか?
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今のところ類似しそうな商標は見つかりません。
次は「ホワイト」と「オーム」の各部分の検索をしていきます。
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ロゴ化された「WHITE」の登録が複数発見できますが、「ホワイトオーム」とは類似しないと判断します。
「オーム」という識別力(特徴)の強い部分に「ホワイト」がかかり、
全体で「白いオーム」ほどの意味のつながりを感じられる為、各部分が分離しないと言えるからです。

お次は「オーム」です。
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標準文字で「オーム」が発見されてしまいました。
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被服の部分で類似しますね。
審査基準上では被服において色彩の部分の識別力(特徴)がないとするとされていますが、
実際にはどのように判断されたのでしょうか?

そんな時は商標審決データベースを利用しましょう。
審決とは、審査のひとつ上の審判での判断であり、どのように判断されたのかが閲覧可能である為、
大変有用です。審査段階でどのように判断されたかも調べたいところですが、
審査段階での書類を閲覧するには、料金を支払い閲覧請求をする必要があります。
閲覧が必要な案件ならば料金を支払っても閲覧請求していますが、
今回は審決データベースの情報で十分判断できる例ですので、ここを使います。
商標審決データベースを利用することで、
過去に審判にて商標の類否や識別力(特徴)どのように判断されたのかを知ることができます。

今回はあらかじめ参考になりそうな例を探しておきました。

不服2011-650221
"商標「NILE」と「ホワイトナイル\WHITE NILE」
引用商標のそれぞれの構成全体から生じる「ホワイトナイル」、「ゴールドナイル」及び「シルバーナイル」のいずれの称呼も比較的短く、無理なく、一連に称呼し得るものである。
そうとすると、引用商標を構成する前半の「WHITE」「ホワイト」、「GOLD」「ゴールド」及び「シルバー」 「SILVER」は、それぞれ「白色」、「金色」及び「銀色」を意味する語であるとしても、かかる構成においては、これに接する取引者、需要者が、該文字を商品の品質、色彩を表示したものと認識するというよりは、むしろ、全体として一体不可分の造語を表したものと認識、理解するとみるのが相当である。"

「NILE」は審判において「ホワイトナイル\WHITE NILE」とは非類似であると判断されました。
しかし、審査段階ではやはり色の「白」を連想させる「ホワイト\WHITE」部分は識別力(特徴)が弱いとして拒絶理由が通知されているので、
同様の構成の「ホワイトオーム」についても拒絶理由が通知される可能性はありそうです。

これらの情報を基に完成した調査報告書がコチラです。
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調査報告を受けて

Prrrr...Prrrrrr...
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Toreru:”はい、商標登録のToreruです。”

お客様:”ホワイトオームです。調査ありがとうございました。調査結果について伺ってもよろしいですか?”

Toreru:”はい。どのような点が疑問でしょうか。”

お客様:”登録可能性がBということですが、これはどの程度の確率で登録できそうですか。”

Toreru:”この商標については、審査段階ではストレートに登録できる可能性もありますが、
拒絶理由が通知されて対応が必要な場合があります。意見書にて対応した場合、登録可能性は高いと判断致します。”

お客様:”意見書とはどういったものですか?”

Toreru:”意見書とは、審査官を説得する手紙のようなものです。
拒絶理由が通知された商標についてこれこれこういった理由で登録するべきですよと審査官に伝える内容のものです。”

お客様:”登録の可能性を上げる方法はありますか?”

Toreru:”先行して登録されている「オーム」とは被服が類似する為、
この商品を指定しなければ類似の原因とはなりませんが、
この商品の指定はお客様のビジネスにおいて必須ですので、おすすめ致しません。”

お客様:”他にはありますか?”

Toreru:”識別力(特徴)のある単語を「ホワイトオーム」の前後に付すことが考えられますが、
既に「ホワイトオーム」の商標を使用している場合、
意見書を提出してでも「ホワイトオーム」での権利取得をした方がよいと存じます。”

お客様:”わかりました。ではそのようにお願いします。”

Toreruでは調査報告書に関する質問はお電話、メールにてしていただけます。
丁寧に対応致しますので、お気軽にお問い合わせください。

Toreruで働く人たち

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Toreruでは、商標担当以外にもプログラマーや事務の方々が働いています。
どの人も気さくで情熱にあふれる方ばかりです。
Toreruは全国の事業者様を商標登録を通じて応援しています。

まとめ

Toreruが願書自動作成サービスではないことはおわかりいただけたと思います。
ほとんどの業務をAIが行っていると思われることもありますが、この業界はまだまだ人の力が必要です。
Toreruは、願書の作成だけを自動化し、格安で出願するサービスでは決してありません。
プロの目で判断し、機械が得意な領域を機械に任せているのです。

この記事を書いた人

萩原-HAGIWARA-
商標調査の傍らに記事を書く男。最近はライターを自称し始めている。